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4人家族のマンションリノベーション。限られた広さで「家族の距離感」と「個の空間」を両立する設計のポイント

皆さんこんにちは。
千葉県市川市を拠点に、市川市内・浦安市・船橋市を中心に、住宅や店舗のリノベーションを物件探しから設計・施工監理まで手がけている「ノア・スタイル」です。
子どもが成長するにつれて、いつの間にか増えていくモノの数々。ランドセルがリビングに置きっぱなしになり、在宅ワークの書類も相まって、「片付けてもすぐ散らかる」とストレスを感じることが増えていませんか。
「そろそろ4人では手狭かもしれない」「子ども部屋をどうするべきか悩んでいる」という悩みに対して、住み替えも一つの選択肢ですが、通学環境や慣れ親しんだ街を手放さなければならないデメリットがあります。
そこで注目したいのが、単に部屋数を増やすのではなく、生活空間そのものを設計する、マンションリノベーションです。
この記事では、70㎡前後のマンションでも、4人家族が無理なく、心地よい距離感を保ちながら暮らすための設計のアイデアを解説します。
4人家族が直面する「3つの壁」と、リノベーションによる解決策

まずは多くの4人家族が直面している課題と、リノベーションによる解決方法を整理してみましょう。
収納の限界
玄関に入りきらない靴、リビングに散乱しがちな習い事の道具やカバン……収納が足りないことにより、住まい全体が雑然とした印象になりがちです。
この問題は、収納量を増やすだけでは解決しません。ポイントは二つあり、まず一つは必要な場所に必要な収納があるか、ということ。そしてもう一つは、「隠す収納」と「見せる収納」を使い分けることです。頻繁に使うものは出し入れしやすい場所へ、生活感を抑えたいものは視界から外す。このゾーニングを丁寧に設計することで、同じ床面積でも暮らしやすさは大きく変わります。
プライバシーと個室問題
子ども部屋やワークスペースが必要となったのに十分な面積がない、というのも子育て世代×4人家族に共通する悩みです。とはいえ、単にすべてを壁で仕切って無理に部屋数を増やそうとすると、LDKが圧迫されてしまいます。
スペースをつくる方法は、単に壁で仕切ることだけではありません。視線や音を適度に遮りながら、家族の気配を感じられる居場所をつくる方法もあります。
生活動線の渋滞
朝の身支度や夕方〜夜の帰宅時間に、洗面所やキッチン周りに家族が集中しやすく、ストレスとなることが多々あります。使いたい時に使えない、動きづらいと感じる理由は、動線が行き止まりになっているからです。ぐるりと回れる「回遊動線」を取り入れることで、人の動きがスムーズになります。
「広さ」よりも「設計」がカギ。4人家族が快適に暮らすリノベーション術

床面積そのものを広げることはできないものの、設計の工夫で限られた面積を有効に使うことはできます。4人家族が快適に暮らせるリノベーション術を紹介します。
子どもの成長に合わせて変化する「可変性のある子ども部屋」
子どもが小さいうちは、細かく個室を設けず、広めの一部屋を設け、将来的に家具や間仕切りで2つに仕切る方法も有効です。遊びや学習の場として十分な広さを確保し、成長してプライバシーが必要になったら仕切る、という考え方です。
この場合、将来的に壁を設けることを想定し、下地に十分な強度をもたせておくことや、照明やコンセントの配置をあらかじめ計画しておくことがポイントです。最初から個室をつくってしまうと、親の目が届きにくくなります。余白のある設計をしておくことで、面積的にも心理的にもゆとりが生まれます。
視覚的な広さを生む「抜け感」と「室内窓」
LDKは家族が最も長い時間を過ごす場所なので、優先的に広さを確保したいスペースです。ワークスペースやキッズスペースが必要なら、LDKを広めに確保して、その中に緩やかに間仕切るという方法もあります。
その場合、壁で完全に区切って個室化するのではなく、室内窓を用いてゾーニングすることで、視線や光の抜けが生まれ、圧迫感を抑えることができます。
必要なスペースは確保しつつ、リビングとのつながりも生まれ、適度な距離感を保ちつつ、コミュニケーションも取りやすくなります。
家事シェアが進む「回遊動線」と「オープンキッチン」
LDKをオープンに使うためには、キッチンを個室化せずに、リビング・ダイニングの一部にオープンに設けることがポイントです。
壁付けにするとリビング・ダイニングは広く確保できますが、家族に対して背を向ける姿勢で作業しなければいけません。対面式やアイランド型を取り入れると、作業中も家族とコミュニケーションが取りやすくなり、家事分担もしやすくなります。
またキッチンは、行き止まりのない回遊動線にすると、家族の行き来がスムーズになります。食事の支度や後片付けの最中に家族とぶつかるような事態も防げて、ストレスもたまりにくくなります。
ちなみにオープンキッチンは、リビング・ダイニングの中で目立ちやすくなるので、設備感を出さずにインテリアになじむよう、デザインにこだわるとよいでしょう。
収納効率を最大化する「ファミリークローゼット」
各部屋にそれぞれクローゼットを設けるのではなく、家族全員の衣類を一箇所にまとめるファミリークローゼットは、収納効率を高める有効な手法です。省スペースになるだけでなく、洗濯物を一箇所でしまえるため、日常の作業負担を軽減できます。さらに言えば、洗う-干す-たたむ-しまうという動線を一直線あるいは回遊動線でつくれると、理想的です。
ファミリークローゼットは、廊下や使われにくいデッドスペースを活用することで、床面積を大きく削ることなく収納量を確保できます。収納を「増やす」のではなく「集約する」ことで、限られた面積を有効に使えるようになります。
家族の健康と感性を育む「自然素材」という選択

子育て世代のリノベーションでは、素材選びにも気を配りたいものです。自然素材には、機能面と住環境の両方におけるメリットがあります。
なぜ子育て世代に自然素材が求められるのか
子どもが長い時間を過ごす住まいでは、空気の質も重要です。無垢材や漆喰といった自然素材は、新建材に含まれることのある化学物質への配慮という点でも、大切な選択肢となります。
さらに調湿性や肌触りの良さなど、日常の快適さに寄与するメリットも備えています。
たとえば無垢材の床は調湿性のほか断熱性にも富み、冬でも冷たさを感じにくく、素足で過ごしたくなる心地よさがあります。漆喰もすぐれた調湿効果により、夏は余分な湿気を吸収し、冬は溜め込んだ湿気を空気中に放出し、年間を通して快適な室内環境づくりに役立ちます。
経年変化を楽しむ「美意識」のある暮らし
自然素材は、経年により少しずつ表情が変わり、住まいを育てる感覚が育まれます。キズや色の変化も、愛着を抱くきっかけとなり、家族の歴史として受け止められるのは、自然素材ならではの魅力と言えるでしょう。
無垢材の表面の微細な凹凸や、左官壁の手仕事の跡が残るテクスチャも、光を受けると美しい陰影が生まれます。ビニルクロスや複合フローリングは時間が経つと劣化しますが、自然素材は時間とともに味わいを増していきます。
【事例紹介】ノア・スタイルが提案する「心と体が健やかになる」住まいづくり

無垢材や漆喰といった自然素材を取り入れながら、性能面や子育て期の暮らしやすさにも配慮したリノベーション事例を紹介します。
事例1 性能と素材感を両立した自然素材リノベーション
築25年のマンションをフルリノベーションした事例です。
安らげる環境とするため、床は遮音性能を高めた二重床構造を採用。仕上げには黄みと赤みのバランスがよく、すっきりと見えるオークの無垢フローリングを採用しました。表面は自然オイルを用いてマットに仕上げ、照明の光がやわらかく反射する落ち着いた空間としています。
壁と天井には調湿性能の高い漆喰を用い、日中は自然光を柔らかく拡散し、夜は照明の光を穏やかに受け止める仕上がりとしました。テレビ背面やニッチ部分にはあえてコテむらを残し、単調にならない表情をつくっています。
キッチンにはステンレス天板を採用し、吊り棚もアイアンで造作。あたたかみのある自然素材の空間を、クールな質感で引き締めています。
玄関にはエコカラットを用い、ラグジュアリーな雰囲気を出しながら、においがこもりにくい空間づくりにも配慮。自然素材の性能を引き出しながら、素材のバランスも重視したリノベーションです。
事例2 共働き+子育て世代の家事ラク×自然素材リノベーション
築30年超のマンションのフルリノベーションで、床にはオークの無垢フローリングを採用し、木の質感が空間全体に行き渡るように、仕上げと照明計画を整えました。壁や天井は漆喰仕上げとし、すこやかな室内環境を実現。
また、リビングには、子どもの学習や家族の作業に使えるスペースを設け、オープンキッチンからも目配りでき、コミュニケーションが取りやすいレイアウトとしています。
収納・動線計画にも配慮し、キッチンは共働きのご夫婦がスムーズに家事ができるように、家電収納・食器収納に加えてパントリーを設置。洗面室には、洗濯から収納までを一連の流れで行えるランドリースペースを増設しました。
住まいの顔となる玄関まわりには、天井は無垢のレッドシダー、壁にはエコカラットを採用。ベビーカーや遊具を置ける余白を確保し、すっきりと空間が整う工夫も施しています。
まとめ

4人家族のマンション暮らしでは、収納や個室の不足、生活動線の渋滞など、成長とともにさまざまな課題が表面化します。しかし今あるスペースをリノベーションによって見直し、設計の力で、問題を解決できます。
たとえば可変性のある子ども部屋や、視線と光を遮りすぎない緩やかなゾーニング、回遊性を意識した動線計画、収納の集約といった設計の工夫は、限られた面積の中でも家族の距離感とプライバシーを両立させ、すっきり整う住まいをつくる有効な手段です。
また、無垢材や漆喰などの自然素材を取り入れることで、空気環境や肌触りといった住環境の質を高められる点も、子育て世代にとって重要なポイントと言えるでしょう。ただし自然素材は施工上の扱いが難しく、熟達した職人と、そうした職人たちに采配をふるえる設計者の存在が欠かせません。自然素材の扱いに長け、かつ、きめこまやかな提案ができる建築会社をパートナーに選ぶのが、リノベーションの成功の鍵となります。
女性建築家が提案する、4人家族のためのマンションリノベーション

子どもの成長とともに、住まいには「家族で過ごす時間」と「一人ひとりの居場所」の両立が求められるようになります。限られた面積の中でこのバランスをどう整えるか、そして健やかな住環境をどうつくるかが、子育て世代のマンションリノベーションにおける重要なテーマです。
株式会社ノア・スタイルは、市川市・浦安市・船橋市エリアを中心に、マンションリノベーションを数多く手がけてきました。面積や既存条件に制約のある住まいでも、設計の工夫によって、家族構成やライフステージの変化に柔軟に対応できる空間づくりを行っています。
代表である女性建築家が、ヒアリングから設計まで一貫して伴走し、生活者の視点から家事動線や収納計画、家族の距離感を丁寧に読み解きます。無垢材や漆喰といった自然素材についても、見た目の心地よさだけでなく、性能面や日常の使いやすさを踏まえた提案を行っています。
自然素材の住まいは、熟達の職人による施工力が欠かせませんが、ノア・スタイルでは設計から施工・管理までを一貫して担う体制により、ディテールまで極めた空間づくりを得意としています。
“いい住まい、いい暮らし”をいかに実現するかで評価される、業界最大級の住宅施工例コンテストで、「地域優秀賞」も受賞しており、デザイン力・施工技術・提案力にも定評があります。
》LIXILメンバーズコンテスト2023にて「地域優秀賞」受賞
https://noah-style.co.jp/blog/news/175686
東京へのアクセスもよく子育て世代にとって暮らしやすい市川・浦安・船橋エリアで、家族の成長に寄り添うリノベーションを検討されている方は、ぜひノア・スタイルにご相談ください。現在の住まいの状況や暮らし方を丁寧にヒアリングしたうえで、「今の不満をどう解決できるか」を軸にしたプランニングを提案いたします。
執筆者情報
金子 亜紀
Kaneko Aki
ハウスメーカーでは住宅リフォームの設計から監理まで幅広く担当し、多くのリノベーションを手がける。現在はノア・スタイルを設立し、代表兼建築家として住まいづくりに取り組んでいる。





