土地価格や新築マンションの価格が高騰し、今ではすっかり人気となったリノベーション。
新築マンションに比べて中古マンションは、広さや立地など選択肢が広く、自分らしい空間につくり変えることが可能です。
ただし購入する際には、思い描くリノベーションができるか事前に確認する必要があります。もちろん内見で物件の状態を判断することも大切ですが、落とし穴となりがちなのが、マンションの「管理規約」。
マンションはそれぞれ独自の管理規約を設定しており、好みの仕上げ材が使えない場合もあります。
今回はリノベーションの初期段階でチェックしておきたい、マンションの「管理規約」についてご紹介します。
■そもそも管理規約とは?
管理規約とは、マンションにおけるルールブックで、住民にとって法律のようなもの。国土交通省が作成した「マンション標準管理規約」を基にしたもので、住民が快適な生活を送れるように、各マンションでそれぞれルールを設定しています。
集合住宅なら必ず管理規約があるもので、古い団地だからといって例外はありません。
1つの敷地に1棟のマンションが建つ「単棟型」マンション、一部が店舗やオフィスなど居住以外のスペースがある「複合用途型」マンション、そして団地など、集合住宅としての形態が異なっても、必ず管理規約は設けられています。
■管理規約では何が決められている?リノベーションで注意したいこと
では、マンション管理規約で決められていることとは、何なのでしょう?
それは主に、「1専有部分と共用部分の区別」「2区分所有者の費用負担に関する事項」「3管理組合に関する事項」「4区分所有者の禁止事項」に分けられます。
リノベーションでまず注意したいのが、「1専有部分と共用部分の区別」です。
マンションでは、各区分所有者が所有して自由に使える「専有部分」と、それ以外の「共用部分」が分けられており、何がどちらに該当するのか管理規約で明示されています。
一般的な共用部分とは、住戸から外の廊下や階段、エレベーター、パイプスペース、建物の躯体部分などのこと。駐車場、駐輪場、共用の庭や外構はもとより、各住戸の玄関ドアや、窓ガラス・サッシ、バルコニーも含まれます。
玄関ドアや窓ガラス・サッシ、バルコニーは、自分の住まいの一部ではないの……?と思われがちですが、建物の外観を構成しているため、共用部分とみなされるのです。
したがって玄関ドアや窓ガラス、バルコニーなどはリノベーションで取り替えることができないために気をつけましょう。ただし窓ガラスの断熱性が低くて、夏の暑さと冬の寒さが厳しそう……と心配ならば、インナーサッシを室内に取り付けることで解消できますよ。玄関ドアも、内側なら塗装し直してOKというマンションもあります。
「2区分所有者の費用負担に関する事項」では、区分所有者が負担しなければならない管理費や修繕費について書かれています。修繕費があまりに低いと、大規模修繕がきちんと計画されていない可能性もあるので、注意しましょう。
「3管理組合に関する事項」は、管理組合の組織構成や役員の選任方法に関する説明です。
「4区分所有者の禁止事項」もリノベーションをするためには大切で、たとえば専有部分の耐力壁の撤去がNGということや、ペット飼育禁止などについても触れられています。
そのほか、災害時の補修や緊急避難措置に関して記載されている場合があるので、しっかり読みこんでおきましょう。
■リノベーションに赤信号?気をつけたいマンション独自のルールをチェック!
マンション管理規約は不動産会社やリノベーションを依頼する建築会社が取り寄せてくれるので、購入前にできること・できないことをチェックしておきましょう。
管理規約には通常「専有部分の修繕等」というパートが設けられており、リフォームやリノベーションを想定した手続きの方法について記載されています。
共用部分の区別以外に、リノベーションで特に注意したいのは、遮音規制です。床材の変更が認められないと、むく材を使いたくてもカーペットやクッションフロアのまま……ということも。このように建材だけでなく、使う色の制限があるマンションも中にはあります。
エアコンの新設・移設のために必要な穴を外壁に開けることが禁じられている場合もあります。キッチンや洗面、トイレなど水回り設備の移設が管理規約によってNGとされていると、リノベーションの自由度が下がってしまいます。
ただし移設しなくても上手にリノベーションのプロがプランニングしてくれる場合もあるので、早めに建築会社を決めて、物件購入前にいっしょに見てもらうとともに管理規約を一緒にチェックするのが得策です。
指定工事業者以外の出入りや、工事期間に制限がかけられているマンションもあります。たとえばマンションによっては2週間以上の工事が不可という場合も。こうなるとかんたんなリフォームしかできず、リノベーションが叶わないので要注意です。
分電盤の容量やガス給湯器のサイズの上限が定められていることもあり、工事が始まってから、しまった……!となっては遅いので、必ず管理規約には漏れがないように目を通しましょう。
■管理規約に違反するとどうなる?
管理規約は法律ではありませんが、非常に強制力の強いルールです。区分所有法と密接な関係があるため、違反すると、専有部分の使用が禁じられたり、マンション側から訴訟を起こされるケースもあります。
ちなみに管理規約に違反すると、4つの点から請求が行われます。
1.共同の利益に反する行為の停止等の請求
管理規約に違反した場合、当該行為の停止や、当該行為から生じる結果の除去・当該行為の予防を目的として請求されます。
2.使用禁止の請求
管理規約違反により共同生活を営むうえでの障害が著しく、共同生活の維持が困難な場合は、違反者に対して一定期間、専有部分の使用禁止を請求できます。
3.区分所有権の競売の請求
違反者に対して、区分所有権と敷地利用権の競売を請求できます。
4.占有者に対する引渡し請求
違反者に対して、賃貸借契約等の解除や専有部分の引渡しを請求できます。
■管理規約を守って安心にリノベーションを。ノア・スタイルは一気通貫でサポートします
これから物件を購入する方はもとより、長年お住まいになっているマンションをリノベーションする場合は、管理規約のことを失念しがち。
管理規約でつまずくことがない、安心できるリノベーションをして理想の暮らしを叶えましょう。
ノア・スタイルでは、「スローライフ」をコンセプトにしたリノベーションで、一緒に住むご家族の笑顔が増えるような快適な空間づくり目指しております。千葉県市川市を拠点に浦安市、船橋市、松戸市などをメインエリアとしており、リノベーション向きの物件探しからサポートいたします。
インテリア・コーディネーターとして、家具やインテリア雑貨のセレクトで、その人らしくコーディネートされたオンリーワンの空間をつくるお手伝いをいたします。
女性目線のこまやかなご提案はもとより、インテリア・プランニングから施工まで、トータルで併走できるのが強み。きっちりと手をかけたリノベーションで理想の暮らしを実現したい……という方は、ぜひお問い合わせください。
【ほかの記事】
忙しい子育て世代にうってつけ!ワンストップリノベーションってどんなサービス?
https://noah-style.co.jp/blog/magazine/141655
子育て世代は「中古+リノベーション」がおすすめなワケ
https://noah-style.co.jp/blog/magazine/137607