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リノベーションで叶える理想のペットとの暮らしとは?ペットの習性を活かす動線設計からリノベーション事例までプロが徹底解説

皆さんこんにちは。
千葉県市川市を拠点に、市川市内、浦安市などで住宅や店舗のリノベーション工事を物件探しから設計・施工監理まで手掛けている「ノア・スタイル」です。
愛犬・愛猫との暮らしでは、「床が滑りやすい」「ニオイが気になる」「傷が目立つ」など、住まいに関する悩みが出てくることがあります。部分的な修繕では改善しにくいケースも多く、そこで注目されているのが住まい全体を見直す「ペットのためのリノベーション」です。
今回は、犬・猫の習性に合わせた間取り設計、安全性に配慮した素材選び、快適に暮らすための工夫など、リノベーションで押さえておきたいポイントを紹介します。
■ペットのためのリノベーションが重要な理由とメリット

ペットが床で滑りやすい、動き回りにくい、ニオイがこもりやすいといった問題は、ペットの負担になるだけでなく、飼い主の生活にも悪影響を及ぼします。表面的なリフォームだけでは改善しないことが多いため、住まい全体の快適性を高めるリノベーションが有効です。
ペットのためのリフォームとリノベーションは何が違う?
リフォームは、傷んだクロスや床材を新しくして原状回復を行う工事です。
一方、リノベーションは、ペットの性質や行動パターンに合わせ、間取りや機能を根本から見直す工事で、暮らしの質を向上させることが目的です。
リフォームでは解決しきれない3つの悩み
1.安全面の不安
犬は床が滑りやすいと転倒や脱臼、ヘルニアにつながることがあります。さらに、キッチンへ自由に出入りできる間取りの場合、誤飲や火傷といった思わぬ事故の心配もつきまといます。
2.ストレスや運動不足
猫は本能的に高い場所への移動や、身を隠せる場所で落ち着く習性がありますが、上下移動の少ない間取りではその行動を十分に発揮できません。犬も、散歩以外の時間を室内で過ごす際に、動きやすい動線や見通しが確保されていないと、運動量が不足しストレスにつながることがあります。
3.ニオイや汚れ
ニオイや汚れの悩みも多くの飼い主が抱えるポイントです。壁のひっかき傷や汚れは掃除だけでは元の状態に戻りにくく、特に長く暮らしているとニオイが下地まで染み込んでしまうこともあります。空気の流れや素材の選び方が適切でないと、日常的に換気をしていても改善しにくいことがあります。
リノベーションで得られるメリット
リノベーションによって、ペットが安心して動きやすい環境が整い、上下運動のしやすさや過ごしやすさが向上します。汚れやニオイがつきにくい素材を取り入れれば衛生的に保ちやすく、掃除の手間も減らせます。こうした改善は、ペットにとっての快適さだけでなく、飼い主にとっての安全性や暮らしやすさにもつながり、毎日の時間をより心地よいものにしてくれます。
■ペットの習性に合わせた空間設計と動線のポイント

安全に過ごせることはもちろん、ペットが普段の行動に合った動き方をできるよう、間取りそのものを整えることが住まいづくりの基本になります。
実は、犬と猫では「どこを安心と感じるか」「どう動くか」が大きく異なり、それぞれに合った環境づくりが必要です。ここでは、そんな違いを踏まえながら、空間設計と動線づくりのポイントを紹介します。
【犬編】安全に走り回れる広々とした空間づくり
犬が室内で生き生きと動き回れるように、LDKはリビングとダイニングの仕切りを減らし、見通しのよい空間にすると安心です。
誤飲リスクのあるキッチンは、扉やゲートで侵入を防ぐ工夫が欠かせません。
家族に迎えた時は小さくても成長するとケージを飛び越えることがあるため、成長後のサイズも見据えて計画するとより安全です。
また、家族の気配を感じながら落ち着ける場所として、ケージを組み込めるスペースを確保しておくと、犬にとって安心できる環境になります。
【猫編】上下運動ができるキャットウォークと隠れ家
犬が平面的に動くのに対し、猫にとっては垂直方向への移動が大切になります。梁を活かしたキャットウォークや、壁面収納と一体化したステップを設けることで、上下に行き来しやすい動線が生まれます。
また、小上がりやヌックのようなこもれる場所があると、落ち着けるスペースとして機能します。高い位置から家族を見守れる場所と、静かに隠れられる場所の両方を用意することがポイントです。
【共通】人もペットもストレスを感じにくい回遊動線
行き止まりのない回遊動線は、犬や猫がスムーズに移動でき、ストレス軽減に役立ちます。家事動線とぶつからないよう計画することで、飼い主の動きやすさも向上します。
また、犬・猫ともにキッチンは誤飲や火傷などのリスクが高い場所です。犬にはゲートでの侵入防止が有効ですが、猫は高い位置からでも入れるため、扉付きの独立キッチンにするのが安心です。ガラス扉を採用すれば、明るさを保ちながら安全性も確保できます。
■ペットのためのリノベーションアイデア5選

間取りや動線だけでなく、素材選びや設備計画も、ペットと快適に暮らすうえで欠かせません。ここでは、ペットのためのリノベーションに役立つアイデアを紹介します。
ケガ防止と健康維持のための床材選び
滑りにくいフローリング、クッション性のある*1クッションフロア(ペット向けフロア)、タイルカーペットなど、ペット対応の床材を選ぶことで足腰への負担を抑えられます。特に犬は関節に負担がかかりやすいため、高齢のペットや足腰の弱い犬種がいる家庭では慎重な素材選びが重要です。
*1:ペット向けフロアは滑りにくさ、クッション性、消臭性、傷つきにくさを備えたクッションです。

(上記参考写真)参照:https://www.sangetsu.co.jp/pickup/pet/
傷・汚れ・ニオイを抑える壁材選び
オレフィン系壁紙は耐久性が高く、ひっかき傷にも強い素材です。腰壁で壁面を保護する方法もあります。
ニオイ対策には、珪藻土や漆喰、エコカラットプラスなど、調湿・消臭効果のある素材が役立ちます。
衛生的で使いやすい水回り・玄関のつくり方
玄関に足洗い場をつくったり、テラス横に小型シンクを設けたりすると、散歩後のケアがスムーズに行えます。洗面台の高さや水栓の位置を見直し、シャンプーやグルーミングがしやすい環境に整えるのも効果的です。
生活感を抑えたトイレスペースの設計
猫用トイレは、洗面室の収納下やパントリーの一角など、人目につきにくい場所に組み込むと生活感を抑えられます。扉付きの専用スペースにすればニオイも広がりにくく、換気扇や小窓を併用すれば衛生面の不安も軽減できます。
ペットの安全を守るための対策
キッチンへの侵入防止はもちろん、コンセントを高い位置に移動したり、扉をガラス入りにして視線を確保したりと、日常の事故を防ぐ工夫が重要です。
さらに、小物を置かない収納計画や、ドアの挟み込み防止なども整えておくと、ペットが安心して過ごせる住まいになります。これらは小さなお子さんがいる家庭でも同様に役立ちます。
■マンション特有の注意点

マンションでペットのためのリノベーションを行う場合は、戸建てとは異なる配慮が必要になります。管理規約による制限や、防音性能に関する決まりが細かく定められているケースも多く、計画の自由度に影響することがあるため、必ず事前に確認しておきましょう。
管理規約の確認
マンションでは、ペットの飼育可否や頭数制限、共用部での移動ルールなど、独自の規約が細かく定められていることがあります。建物の構造によってできる範囲も変わるため、ペットのためのリノベーションに慣れた建築会社と一緒に規約を確認しながら進めると安心です。
防音対策
マンションは上下左右に生活音が伝わりやすいため、防音対策は欠かせません。遮音等級(L値)の指定がある場合は、規定を満たす床材を選ぶ必要があり、ペットの足音を吸収しやすいクッション性のある床材が有効です。また、鳴き声が気になる場合は、内窓(二重サッシ)を採用すると、外部・隣室への音漏れが軽減されます。これらの対策は、ペットのためだけでなく、近隣との関係を良好に保つためにも重要です。
■事例紹介:ペットと人が心地よく暮らす住まい

実際のペットのためのリノベーション事例を見てみましょう。ペットとの暮らしがどのように変わるのかを具体的にイメージしやすくなります。
事例1|愛猫のキャットウォークと隠れ家のあるLDK(マンション)
梁を活かしたキャットウォークに、リビング収納と一体化したキャットステップを組み合わせた住まいです。家具に馴染ませることで見た目がすっきりし、猫が自然に上下移動できるルートが生まれました。ソファ横には小さなヌックも設け、高い場所での見晴らしと、落ち着いて隠れられるスペースの両方を確保しています。
事例2|大型犬も安心の滑りにくい床と足洗い場(戸建て)
犬が歩いても滑りにくい床材を採用し、室内で無理なく動ける環境に整えた住まいです。玄関には足洗い場を設け、散歩帰りのケアがスムーズに。リードフックを付けておくと、洗っている最中に動き回る心配がなく安心です。
事例3|多頭飼いの悩みを解消するニオイ対策と収納計画
猫の多頭飼いで増えがちなトイレをまとめて置けるよう、洗面室の一角に「猫トイレコーナー」を造作。扉には小さなキャットドアを設け、閉めたままでも自由に出入りできます。扉で生活感を隠しつつ、近くに換気扇を配置してニオイ対策も強化。掃除道具や砂のストックも収納でき、日々の手入れがしやすい計画です。
■まとめ

ペットとの暮らしで生まれる小さな不便や心配ごとは、家のつくりを見直すことで大きく変わります。滑りやすい床や動きにくい動線、ニオイや汚れが蓄積しやすい空間は、ペットの健康だけでなく、飼い主の快適さにも影響します。リノベーションで間取りや素材、設備を総合的に整えることで、互いが自然に過ごせる住環境が生まれます。
ただ、犬と猫の習性や動線計画、防音・衛生面を踏まえた設計には、一般的なリノベーションとは異なる専門性が求められます。動きやすさ、落ち着ける場所、掃除のしやすさといった要素を立体的に捉えて計画することで、住まい全体の心地よさが大きく変わります。
ペットのためのリノベーション実績が豊富な建築会社に相談することで、暮らし方や住まいの条件に合った最適なプランが見つかり、家族とペットの時間をより穏やかで豊かなものへと育てていくことができます。
■市川・浦安・船橋で、ペットと人がリラックスして暮らせる住まいを--女性建築家が手掛けるペットと暮らすリノベーション

ペットと暮らすためのリノベーションで大切なのは、「ペットのためだけの住まい」にしないこと。犬・猫が安心して過ごせる環境を整えるのはもちろん、家事のしやすさ、デザインの美しさ、光の入り方、動線の心地よさといった、人にとっての心地よさを満たすことで、上質な暮らしが生まれます。
千葉県市川市の株式会社ノア・スタイルは、「スローライフ」を掲げ、物件探しから設計・施工監理までをワンストップで手掛ける建築会社です。
代表である女性建築家の視点を生かし、ペットの習性、家族の生活リズム、素材選び、採光や通風、収納の在り方までを総合的に捉えた設計を行っています。
耐震診断士による構造チェックや断熱改修を含め、安心と快適性を両立する提案を重視。家具やカーテンまで含めて空間全体をトータルで整えられるのも、ノア・スタイルならではの強みです。
設計と施工が一体となった体制により、細やかなデザイン性と確かな技術力の両方を兼ね備えた住まいづくりが可能になります。
“いい住まい、いい暮らし”をいかに実現するかを競う、 業界最大級の住宅施工例コンテストで、「地域優秀賞」も受賞しており、デザイン力・施工技術・提案力も評価をいただいております。
》LIXILメンバーズコンテスト2023にて「地域優秀賞」受賞
市川・浦安・船橋エリアで、ペットと人がともに心地よく、かつ美しく暮らせる住まいをつくりたい方は、ぜひノア・スタイルにご相談ください。
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執筆者情報
金子 亜紀
Kaneko Aki
ハウスメーカーでは住宅リフォームの設計から監理まで幅広く担当し、多くのリノベーションを手がける。現在はノア・スタイルを設立し、代表兼建築家として住まいづくりに取り組んでいる。


